「困っている人の力に」その思いが拓いた、介護への道

「介護は大変」というイメージを覆す経験 を重ねてきた石井愛梨香さん。介護施設での6年間の勤務経験を活かし、現在は本社営業部で施設の魅力発信に取り組んでいます。28歳での新たなキャリアチェンジに至るまでの思いを振り返ります。
介護への思いを胸に - 就職活動から入社まで
就職活動を始めた頃、私の心に強く刻まれていた光景があります。それは、母が祖父母の介護のために遠方まで通う姿でした。とくに印象深いのは、認知症を患った祖父母との日々です。以前は当たり前のようにできていた会話が成り立たなくなり、話したことをすぐに忘れてしまう。その現実を前に、認知症という病を受け入れることの難しさを痛感しました。
そんな状況の中で疲れている母の姿を見て、「自分に何かできることはないだろうか」という思いが芽生えました。それが介護業界への就職を考えるきっかけとなったのです。
介護の仕事には「大変そうだ」というイメージも抱いていました。しかし同時に、人の役に立てる仕事だからこそ、どこか心が躍るような期待も感じていたのです。
就職活動中、ライクケアの当時の社長とお話しする機会がありました。そのときの社長のお人柄に強く惹かれたことを、今でも鮮明に覚えています。相手への接し方や言葉の選び方からは、深い思いやりが伝わってきました。「自分もこの方のように人と向き合いたい」、そう強く感じ、この会社で働きたいという思いが揺るぎないものとなりました。
就職は人生における大きな転機ですが、私の場合は家族との経験が進路を決める大きなきっかけとなりました。介護という仕事を通じて、困っている人の力になりたい。その思いを胸に、私は新たな一歩を踏み出す決意を固めました。
不安から成長へ - 介護の現場で見つけた喜び

入社後は、介護未経験の私でも現場に馴染める、本社での研修からスタートしました。そこで基本的な知識や技術を学んだのち、施設と本社を行き来しながら初任者研修を受講し、着実に介護の基礎を身につけることができました。
その後、私は約6年間にわたり介護の現場で働くことになります。入社前は「介護は大変そうだ」というネガティブなイメージも抱いていましたが、実際に働いてみると、それが良い意味で大きな誤解だったと気づかされました。
日々の業務の中で、ご入居者様との何気ない会話や「ありがとう」という言葉が、私にとって大きな励みとなりました。そうした経験を重ねるうちに、次第に介護の仕事に楽しさを見出せるようになっていったのです。
現場では副主任という立場も経験させていただき、シフトの作成や人をまとめることの難しさも学びました。強く記憶に刻まれているのは、夜勤中にご入居者様が心筋梗塞で亡くなられた出来事です。 普段は何気ない会話を交わしている方でも、常に命と向き合っているという現実を突きつけられた瞬間でした。
この経験を通じて、介護を必要とされる方々の命の重さを改めて実感し、よりいっそう気を引き締めて仕事に向き合うようになりました。悲しみや不安と向き合いながらも、それを乗り越えることで、私自身も大きく成長できたと感じています。
そして今年から、新たな挑戦として本社営業部への異動を希望しました。キャリアの節目を迎え、自分の将来についてあらためて考えたとき、若いうちに多くの経験を積みたいという思いが強く、この決断に至りました。介護の現場で培った経験を活かしつつ、新しいフィールドでも成長していきたいと考えています。
新たな挑戦:SNSを活用した施設の魅力発信

現在は本社営業部にて、施設の入居促進を担当しています。営業部ではSNSを活用し、施設での日々の出来事やご入居者様とスタッフの関わりなどを随時発信することで、施設の魅力を多くの方に知っていただく取り組みを進めています。
介護施設への入居は紹介会社を通じて行われるケースが多い一方で、それ以外の集客方法も重要だと考えています。そのため、施設の認知度向上に向けて、さまざまな企業と協力したイベントの企画や新しい施策の立案など、日々アイデアを練りながら取り組んでいます。
以前は介護施設で働いていたため、営業部での業務はまったく新しい挑戦でした。とくにパソコン作業は未経験だったため、当初は大きな苦労もありました。しかし、試行錯誤を重ねながら取り組んだ結果、現在では正確さとスピードを意識して業務を進められるようになっています。
営業活動を通じてさまざまな企業を訪問し、ご相談いただいたり、実際の入居につながったりすることがあります。このような成果を挙げたときには、大きなやりがいを感じます。また、現場で培った経験を活かして施設の魅力を伝えられることにも、大きな喜びを感じています。
この仕事を通じて、自分自身も大きく成長できたと実感しています。以前は初対面の方と話すことが苦手で、自分から声をかけることも少なかったのですが、現場での経験と営業部での経験を重ねる中で、積極的にコミュニケーションを取れるようになりました。今では、知らない方とも自然に会話ができ、施設の魅力をしっかりと伝えられるようになっています。
SNSでの情報発信では、施設での生活の様子やイベントの取材を行うことも多くあります。その際には、ご入居者様やスタッフの自然な表情、施設ならではのあたたかい雰囲気を切り取ることを意識しています。一枚の写真でも施設の魅力がしっかり伝わるよう、日々工夫を重ねながら発信に取り組んでいます。
未来を見据えた挑戦と、新たな仲間へのメッセージ

私の目の前には、まだ多くの挑戦すべき課題があります。その一つが、上司のように施設の集客に向けた施策を自ら考え、実行していくことです。アポイントメントを取り、新しい取り組みを提案する。そんな主体的な営業活動ができるよう、スキルをさらに磨いていきたいと考えています。
現在は営業部で働いていますが、将来的には一人前の営業担当者となった後、現場での経験を活かして他の部署にも挑戦してみたいと考えています。当社の魅力は、こうした幅広いキャリアの選択肢にあります。現場から施設長へステップアップする方もいれば、私のように現場から本部へ異動することも可能です。自分の意欲次第で、さまざまなキャリアパスを描くことができるのです。
介護の仕事には、大変なイメージを持たれる方も多いかもしれません。しかし、実際の施設の中は想像以上に明るく、楽しい雰囲気にあふれています。毎日のレクリエーションや季節ごとの行事を通して、ご入居者様の笑顔が絶えません。それぞれの方が好きな活動を楽しむ姿を見られることが、私たちスタッフにとって何よりの喜びとなっています。
当社で活躍するために、特別なスキルは必要ありません。むしろ大切なのは、前向きな姿勢を持ってさまざまなことにチャレンジする意欲です。新しいことに興味を持ち、積極的に経験を重ねていきたい方。そんな方々と一緒に働けることを、心待ちにしています。ご入居者様の生きがいづくりに貢献しながら、自身のキャリアも広げていける。そんな魅力的な環境で、共に成長していける仲間との出会いを楽しみにしています。
※ 記載内容は2025年10月時点のものです



